見取り稽古(橋本)

来週からいよいよ稽古がはじまる。
とは言っても6月中は週一回。主に読み合わせが中心になるだろう。
とにかく一対一の稽古場になるので、台本と役者がしっかりと向かい合う時間を大事にしようと思う。

表題の見取り稽古について。

できれば稽古場には人がいて欲しい。
だからと言ってむやみやたらに稽古場に人がいるのも気が散るし、集中力が削がれる恐れもある。
今回は特に演出助手をつける予定もないし、僕自身千田さんとどっしり向かい合って稽古を積み重ねていきたい。
でも人がいて欲しい。寂しいじゃないか。

ということで、知った仲の俳優には遠慮なく「いつ稽古やってる?」と聞いてきてほしい。
見取り稽古をする機会ってあまり無いと思うんですよ。
やっぱり自分が参加する公演じゃないと、暇じゃなきゃできないし。

私は暇があれば人の稽古場に足を運ぶようにしている。
勿論知った仲でないと行かないけれども。
それは「自分ならどう伝える?」「今役者は何を思っている?」「どうすれば上手く場所が回る?」「見え方は汚くないか?」
等々、自分の現場だと中々見えづらくなるポイントをクリアしていく手順を再確認できるからだ。
(利用させていただいてすいません)
大学在学中、デス電所さんの映像オペとして参加していたときに本当に色々勉強させてもらった。
いまだにあの経験は大きい。
その後も色々な現場で経験させてもらったことは、確かに生きていると30になってから気がつく事は多い。

高校時代は剣道部だったが、顧問はしきりに見取り稽古の重要性を説いていた。
上手な人の試合は、確かに勉強になる。
そんな見取り稽古で私はひとつの技を思いつく。

「コテ返し逆胴」。

これは自分のコテを敢えて隙だらけに見せてコテを狙わせ、その太刀筋を上に払って面を狙ってきたところを
おもいっきり逆胴である。
これは、試合を上手く運ぶ人は大概コテを狙うのが上手いと見取り稽古で気がついたから、それを逆手に取ったトリッキーな技である。
剣道経験がある人なら、コテ返し逆胴を想像してもらえれば、いかに大味な技かはわかるはずだ。
まず逆胴自体あまり見ない技だし。

そして団体戦一回戦。
私は見事「コテ返し逆胴」で一本を取った。
喜んだのも束の間、二回戦でコテを取られて負けた。
そして私は学んだ。

付け焼刃では勝てないと。

とりあえず見取り稽古で学ぶことも多いが、やはり実戦で得ることの方が大きいのである。
だけれども、見取り稽古で得た知識で勝てた試合もあったし
「コテ返し逆胴」を得たことで、本当に上手い人はコテ返す前にコテを正確に打ってくるということも知ったわけだ。

とりあえず、前回の「爆弾と海」に出てた人とかは観に来たらいいと思う。
千田さんはきっと、「コテ返し逆胴」なんか狙わずに、素早いコテを連打してくると思う。

まだわかんないけど。

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