稽古日誌①(橋本)

2014-01-04_23-45-55_830

「見参!リバーサイド犬」再演の稽古が再開しております。
この作品は2012年10月に万博設計の旗揚げ公演で二作品同時上演を行った際の一作品です。

「稽古場日誌を書こう!」と役者さんから年末打診を受けていたのだが、正直乗り気じゃなかった。
つまるところ、あまり稽古が上手くいってなかったから。
太陽族終わりで速攻体調崩して寝込んで、さぁ稽古再開となると、あれ、こんなにつまんない作品だったけ、の連続だった。
これは精神的にかなりクルものがあって、年末の自分の言動を殆ど覚えていない、というぐらい追い込まれていた。
殆ど宣伝もしていない。(やばい)

「再演」

一度公演しているのだから気楽に出来ると思うのだが、稽古を重ねていく内に、むしろ初演が重荷になっているようにしか思えないのだ。

台本の書き換えがあったので、俳優が書き換え部分に詰まるのは想定内であったが、初演の亡霊に取り憑かれて思うように動けない姿を観るのは、本当に辛かった。
書き換えがある時点で想定すべき事だったのかもしれないし、再演をするまでの期間が一年強と長いんだか短いんだかという微妙な感じだったのもあったのかもしれない。

捨てきれないし、乗り切れない。

そして年明けの稽古。
ざっくり通すがやはり通らない。
そこである「道具」を舞台に乗せてみた。
これは森田が主に接するもので、初演には全く存在しなかったものだ。

その道具を森田に装着。そして稽古。
見え方が変わってきた。風穴が空いた気がした。
芝居の方向性に大きな進路変更路線が出来上がった。

時を同じくして、千田さんの演技プランに大幅な変更が加わる。

千田さんは年度末の稽古段階で「あ、スランプかな」という感じだった。
呼応する様に野田さんも森田もイマイチ乗り切れない感じだった。
しかしこの大幅な変更がまた1つ風穴を開ける。
稽古場にビュービューと風が入ってくる。
そう、この感じこそ、稽古場に必要な空気だと感じた。

本日の稽古での野田さんの独白は、胸にくるものがあった。
人間、一皮むけばこんな感情が渦巻いてるのかと、悍ましい世界が、その目と言葉から広がった。

当たり前の事なのかもしれないが、芝居はナマモノで、いつだって新しい現実を観せなければいかんものだ。
しかし再演というのは、前にやったものを再度上演する事だ。
再演の難しさは、新しい事に挑戦出来ないというジレンマとのいがみ合いだ。
ジレンマは、脱した。

本日の稽古で、新たな要素が絡み合い、全く違った「見参!リバーサイド犬」が見えてきた。
今回は初演とは違い、通し稽古をほぼしていない。
短く短く、丹念に、細かくシーンを割っていっている。
元々私は鬱陶しいぐらいダメをだすし稽古を止める人だったのだが(堀江にえらい鬱陶しがられた)、そんな自分が戻ってきた感じだ。
出演者の顔も少し変わってきた感じがする。嫌な目つきが稽古場で飛び交っている。
でも「生き死に」を扱った作品なのだから、簡単な事ではないのだ。これでいい。
明日は昼から夜中までみっちり稽古だ。
もっと本心を抉って食い散らかすような目を舞台で観たい。

これだけシビアな稽古状況をお伝えしておいてなんだが、今回観ていただける作品は、少しキュートなものになりそうだ。
そしてそのキュートさの正体を、バナナの皮の様にずるりと剥いてお見せできる。

つまりなんというか、やっと人様にお見せできるものを共有しはじめた。
明日が楽しみだ。

あと個人的な事を言わせていただければ、最近野田さんが千田さんの天然ボケに突っ込まないという事を新年の目標にしてはるのだが、突っ込まない事によって流れる空気が結構面倒くさい。
でもその面倒くさい空気から流れるものも、今回の芝居には取り込んでいるのである。
どんよくー

明日の日誌は役者さんの誰かが書いてくださるようですよ。お楽しみに。

ご予約はこちらから。

 

 

広告